秘密と記憶が出会うとき
その日から雪貴の邸で暮らすことになった祥子は、執事でボディガードのまとめ役でもある水野朝雄に案内されて部屋を与えられた。
「水野さん、これからお世話になります。
よろしくお願いいたします。」
「お嬢様、ご丁寧にありがとうございます。
こんな老いぼれですが、嫌がらないでくださいね。
それから、今日からお嬢様専属のボディガードもつけさせていただきます。
若手で班長もしている・・・ほれ・・・挨拶をしなさい。」
「はい。初めまして・・・私は三枝環(さえぐさたまき)といいます。
ボディガードと執事役としてお世話させていただきますので、よろしく。」
「あの、ボディガードなんて私に必要ないんじゃ・・・。
しかも、ふだんはナヨナヨっとした男の子なんだし。」
「いけません。雪貴様を付け狙う輩やあなたのご実家の事情などからしましても、どういった外敵がおるかもしれないのです。
うっとおしいと思われるでしょうが、慣れていただくしかありません。」
「そうですか。
でも・・・三枝さんはずっと私のそばにおられるんですか?
私がお風呂に入るときとか、ひとりでくつろぐのもダメなんですか。
それは、かなり困るし、嫌なんですけど。」
「もちろん、この邸内やお部屋でのプライベートにはかかわりません。
外でお守りしていますので、いろいろと申し付けてくださいませ。」
「あの・・・三枝さんって勉強も頼って大丈夫ですか?」
「はぁ?まぁ・・・いちおう国立大学出てますし、あなたの高校の先輩でもありますし。」
「ええ!そうなんだ。
あのね、雪貴さんには言わなかったけど、数学かなりピンチなの。
だからごはんの後、教えて。
ダメかな・・・。」
「私はかまいませんが・・・えと・・・上司が・・・。」
「水野さん、いい?
それと、このことは雪貴さんには・・・」
「秘密ですね。・・・でもどうしてなんです?
雪貴さんはお嬢様に勉強をお教えしたいと思っておられますよ。」
「うん・・・たぶんそうなんだろうけど、2人になっちゃいけない気がするの。」
「へぇ。女の勘を使うんだ。
じゃあ、私があなたに手を出すとは考えないのかな?」
「手を出すつもりなんですか?」
「そんなこと上司の前でいうバカいないでしょ。」
「三枝さんってやっぱり見かけほどチャらくないのね。
案外真面目でしょ。」
「面白いことをいうお方だ。
私はいつも自然体ですから、あなたに対して隠すような事情もありません。
数学の件、承りました。
雪貴様にはナイショで・・・。」
「ありがと。じゃ、あとでね。」
「水野さん、これからお世話になります。
よろしくお願いいたします。」
「お嬢様、ご丁寧にありがとうございます。
こんな老いぼれですが、嫌がらないでくださいね。
それから、今日からお嬢様専属のボディガードもつけさせていただきます。
若手で班長もしている・・・ほれ・・・挨拶をしなさい。」
「はい。初めまして・・・私は三枝環(さえぐさたまき)といいます。
ボディガードと執事役としてお世話させていただきますので、よろしく。」
「あの、ボディガードなんて私に必要ないんじゃ・・・。
しかも、ふだんはナヨナヨっとした男の子なんだし。」
「いけません。雪貴様を付け狙う輩やあなたのご実家の事情などからしましても、どういった外敵がおるかもしれないのです。
うっとおしいと思われるでしょうが、慣れていただくしかありません。」
「そうですか。
でも・・・三枝さんはずっと私のそばにおられるんですか?
私がお風呂に入るときとか、ひとりでくつろぐのもダメなんですか。
それは、かなり困るし、嫌なんですけど。」
「もちろん、この邸内やお部屋でのプライベートにはかかわりません。
外でお守りしていますので、いろいろと申し付けてくださいませ。」
「あの・・・三枝さんって勉強も頼って大丈夫ですか?」
「はぁ?まぁ・・・いちおう国立大学出てますし、あなたの高校の先輩でもありますし。」
「ええ!そうなんだ。
あのね、雪貴さんには言わなかったけど、数学かなりピンチなの。
だからごはんの後、教えて。
ダメかな・・・。」
「私はかまいませんが・・・えと・・・上司が・・・。」
「水野さん、いい?
それと、このことは雪貴さんには・・・」
「秘密ですね。・・・でもどうしてなんです?
雪貴さんはお嬢様に勉強をお教えしたいと思っておられますよ。」
「うん・・・たぶんそうなんだろうけど、2人になっちゃいけない気がするの。」
「へぇ。女の勘を使うんだ。
じゃあ、私があなたに手を出すとは考えないのかな?」
「手を出すつもりなんですか?」
「そんなこと上司の前でいうバカいないでしょ。」
「三枝さんってやっぱり見かけほどチャらくないのね。
案外真面目でしょ。」
「面白いことをいうお方だ。
私はいつも自然体ですから、あなたに対して隠すような事情もありません。
数学の件、承りました。
雪貴様にはナイショで・・・。」
「ありがと。じゃ、あとでね。」