秘密と記憶が出会うとき
祥子の様子に、志奈子が割って入り、説明をした。
「ごめんなさいね。
この娘なりに私や家族のことを心配してるの。
あなたにお知らせしなかったのは申し訳ないと思っているわ。
でもね、この娘はまだ高校生だから、ここまで解決した、はい次!っていうわけにはいかないのよ。」
「しかし、それだったらせめて、あなたか兄さんから俺に説明の電話くらいしてくれたって・・・いいんじゃないですか?」
「ごめんなさい。散々世話になっておいて勝手なことばかりで申し訳ないわ。
でも、私に免じて、もう少しだけ待ってほしいの。
10年というのはこの娘にとっては大変な年月なのはわかりますね。
小さい頃は、あなたのことを一生懸命追いかけて憧れてたの。
で、今はあなたを嫌っているのではないけれど、自分の気持ちをどうしたらいいのか迷っている女子高生・・・。
どっちも本気で、本心なのよ。
あなただって高校生のときはいろんな女の子からモテモテだったでしょ?」
「それはそうですけど・・・俺は小さな彼女が『お嫁さんになるから』って言葉が忘れられなくて、結局誰とも・・・深い付き合いはできなかった。
あなたがたが、引っ越された後もずっと、彼女の様子だけは知らせてもらっていた。
俺が大学を卒業して、親父の事業の一端を継がせてもらうまで、小さな彼女を迎えに行くことだけを楽しみにしてがんばってきたんだ!」
「雪貴さん・・・そんなこと、ぜんぜんきいたことないのに。」
「言えるわけないだろ。
俺は君が『雪ちゃんのお嫁さんになる』って追い回されてたから、君の夢をかなえてあげるんだって思いたかったんだから。」
「うふふふ。ほんとに貴文さんといい、あなたといい、かわいいことを考えるのね。
貴文さんも、私がもうこれ以上どこにも転がり込めるところがない未亡人って言ったわ。
私、本気で怒ったのよ。
じゃ、祥子と2人でちっちゃい家に住んで仕事を探します!って。」
「そしたらね、どうしてもこの邸にきてほしかったって泣きだしちゃって・・・。
ひどいことを言って悪かったって謝ってくれて、ずっと私のことを思っていて素直にいえなくて後悔ばかりしてたって土下座して結婚してくださいなんていうんだもの。
びっくりよね。」
「貴文さんが・・・!!」
「いつも大胆不敵な作戦たててくるあの・・・兄貴がぁ?」
「おいおい・・・みんなで俺をサカナにして盛り上がらないでくれないか・・・。」
「あっ、貴文さん!!」
「まぁ、いつからきいていたの?」
「泣き出して、土下座して結婚してくれだの・・・とか。
どうして俺の話になってるわけ?」
「すまない・・・俺が祥子を連れ戻しにきたから・・・成り行き上、志奈子さんが話をしてくださって・・・。」
「ふぅ、おまえが大変だってきいて、あわてて様子を見に来たんだが、とにかくおまえは帰れ。
当分、祥子ちゃんはここから学校へ通わせる。
まずは、俺と家族になってもらうからなっ!」
「しかし!!」
「祥子ちゃんは女子高生で、ゴタゴタ部分は解決した以上、使用人がいないとき2人きりで住ませることはできない。
それはわかるだろ?」
「ああ。」
「ごめんなさいね。
この娘なりに私や家族のことを心配してるの。
あなたにお知らせしなかったのは申し訳ないと思っているわ。
でもね、この娘はまだ高校生だから、ここまで解決した、はい次!っていうわけにはいかないのよ。」
「しかし、それだったらせめて、あなたか兄さんから俺に説明の電話くらいしてくれたって・・・いいんじゃないですか?」
「ごめんなさい。散々世話になっておいて勝手なことばかりで申し訳ないわ。
でも、私に免じて、もう少しだけ待ってほしいの。
10年というのはこの娘にとっては大変な年月なのはわかりますね。
小さい頃は、あなたのことを一生懸命追いかけて憧れてたの。
で、今はあなたを嫌っているのではないけれど、自分の気持ちをどうしたらいいのか迷っている女子高生・・・。
どっちも本気で、本心なのよ。
あなただって高校生のときはいろんな女の子からモテモテだったでしょ?」
「それはそうですけど・・・俺は小さな彼女が『お嫁さんになるから』って言葉が忘れられなくて、結局誰とも・・・深い付き合いはできなかった。
あなたがたが、引っ越された後もずっと、彼女の様子だけは知らせてもらっていた。
俺が大学を卒業して、親父の事業の一端を継がせてもらうまで、小さな彼女を迎えに行くことだけを楽しみにしてがんばってきたんだ!」
「雪貴さん・・・そんなこと、ぜんぜんきいたことないのに。」
「言えるわけないだろ。
俺は君が『雪ちゃんのお嫁さんになる』って追い回されてたから、君の夢をかなえてあげるんだって思いたかったんだから。」
「うふふふ。ほんとに貴文さんといい、あなたといい、かわいいことを考えるのね。
貴文さんも、私がもうこれ以上どこにも転がり込めるところがない未亡人って言ったわ。
私、本気で怒ったのよ。
じゃ、祥子と2人でちっちゃい家に住んで仕事を探します!って。」
「そしたらね、どうしてもこの邸にきてほしかったって泣きだしちゃって・・・。
ひどいことを言って悪かったって謝ってくれて、ずっと私のことを思っていて素直にいえなくて後悔ばかりしてたって土下座して結婚してくださいなんていうんだもの。
びっくりよね。」
「貴文さんが・・・!!」
「いつも大胆不敵な作戦たててくるあの・・・兄貴がぁ?」
「おいおい・・・みんなで俺をサカナにして盛り上がらないでくれないか・・・。」
「あっ、貴文さん!!」
「まぁ、いつからきいていたの?」
「泣き出して、土下座して結婚してくれだの・・・とか。
どうして俺の話になってるわけ?」
「すまない・・・俺が祥子を連れ戻しにきたから・・・成り行き上、志奈子さんが話をしてくださって・・・。」
「ふぅ、おまえが大変だってきいて、あわてて様子を見に来たんだが、とにかくおまえは帰れ。
当分、祥子ちゃんはここから学校へ通わせる。
まずは、俺と家族になってもらうからなっ!」
「しかし!!」
「祥子ちゃんは女子高生で、ゴタゴタ部分は解決した以上、使用人がいないとき2人きりで住ませることはできない。
それはわかるだろ?」
「ああ。」