マサユメ~GoodNightBaby~

ゆっくりと扉を開く。

「お、薬師おはよう」

いつも通りの光景だ。

委員長が丁寧に黒板を綺麗にしている。

「おはよ、委員長」

クラスは他愛も無い話でグループ毎に盛り上がっている。

真緒は佐々木さんと話しているし、良太はサッカー部の関根と話している。

昨日と何も変わらないよ。

良かった。

「あれ?委員長、湊は?」

湊の席が空いていた。

「え、本田くんはまだ見てないな」

湊が来てない?

黒板の上にある時計を見ると登校時間の3分前だった。

「本田君はオレと同じくらいに登校してるイメージだから珍しいよな。昨日雨に濡れて風邪でも引いたのかな?」

嘘だろ?まさか昨日のが現実になったんじゃ。

「薬師?どうした」

オレは思い出して携帯を取り出した。

湊からの折り返しの電話は・・・・ない。

「薬師?様子変だぞどうしたんだよ」

その時、教室の扉が勢いよく開いた。

全員の視線がそこに集中した。




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