マサユメ~GoodNightBaby~
「なあ、オレって鈍感なの?」

 あれから良太は毎日、オレの家に様子を見に来るようになっていた。部活帰りで疲れているだろうに、わざわざコンビニでお土産まで買ってきて。

 そんなこんなでうちでくつろぐ良太にそう聞くと、良太は目を点にしていた。なんだこの表情は・・・・・・

「え、それ冗談だろ?リム助以上に鈍感なやつなんていないよ?今頃気づくとか、ぶはっ」 そう言って良太は笑っている。いらっつ。

「何だよ!オレのどこが鈍感だって言うんだよ!?」

 自分で自分を擁護するわけではないのだけれど、人間関係とか浅い分ちゃんと気を遣っているいると思う。色んなやつの表情とかも見てる。

「いや、はは。だからなんて言うのかな、一回鏡見てこい」
「え?」

 そのセリフってすんげえナルシストとか、自分のルックスとかも顧みずに身の丈に合わないような夢とか語っちゃってるやつに言うセリフだよな?え?

「え、オレってそんなナルシストみたいな言動した?」
「いや、違う違う。

つまりさ、リム助は自分に向けられている感情に対して鈍感過ぎるんだよ」

 オレに向けられている感情に対して鈍感?ダメだ尚更意味が分からなくなってきてしまった。

「じゃあ鏡見て来いって言うのは?」
「いや、素直か!

大丈夫、確認なんかしなくてもお前は誰がどう見てもイケメンだ」
「????」

 顔が悪いと言われているわけでもない。良太は困惑するオレを見ながら笑っている。

「リム助、中学の時の制服にボタン付いてる?」
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