マサユメ~GoodNightBaby~
「は?ついてるに決まってるだろ?」
「ボタンとか、女子から欲しいって言われなかった?」
ボタンが欲しい?言われたような言われてないような。ん、待てよ?
「そういえば卒業式にクラスメイトとか、なんなら知らないやつからも言われたな。ボタン欲しがる意味が分からなかったから断ったけど」
「断ったって。
ちょ・・・・・・お前マジか」
「え?だっていきなりボタンくれとか意味わかんないだろ?何に使うんだよ」
良太は額に手を当てて大きくため息を吐いた後に「な?そういうとこだよ」 と言った。
「いや、この話とオレが鈍感ってこととどう関係があるんだよ?」
「あのな女子が卒業式にボタンくれって言ったら、お前のこと好きだったか憧れてたかってことだろ。そんで別にその子達はお前の「ボタン」が欲しかったんじゃなくて、「お前の」ボタンだったりなんでも良いから思い出を形として残すための物が欲しかったってことだよ」
え?だってクラスメイトは普通に話してて仲が良かった友達だし、知らない子の中には一度も話してない後輩とか他校の生徒とかも居て。その人たちがオレのこと好きだったり、憧れていた?そんな気配感じたことなんか・・・・・・
「リム助はルックス良くて、関わると人当たりも良いからなモテない方がおかしいよ。だけど、お前にとってはきっと普通に接しているだけでも、相手からしたら想いを寄せるのに十分だってこともあるんだろうな。
だから気づかないんだよ、お前のことを好いたり、お前に注目して欲しいと思ってるやつのことをさ」
「・・・・・・そういうこと、か?」
良太のおかげで川島の去り際の言葉の意味をようやく理解した。過去のこともそうだけれど、今日にしてもオレはつくづく・・・・・・そんなことを思っていたら無性に恥ずかしくなってきてオレは顔を赤くして俯いた。
「ふはは、中学のモテ期を逃したことを今更後悔したか?」
「いや、まあそれは良いんだけど。ああ、もう!けど、助かったありがとう良太」
川島の言っていたこと良太の言っていたこと、つまりはそういう事なのだろう。戸叶さんとは面識も何もないが、オレに興味を持ってもらいたいと思っている。それが何故あんな噂話を流すことに繋がるのかは理解できないけれど、何かしらの想いを寄せているのは確かなことなのだろう。
明日にでもまた四組に行って、本人とコンタクトを取ってみた方が良いか?そんなことを考えていたら、そこかで言われたその言葉を鮮明に思い出した。
「リッ君の鈍感!僕負けないからね」 そう言っていた。あの雨の中で、別れ際に湊は確かにそう言っていた。あれは真緒の話をしている最中で・・・・・・
「そうなのか・・・?」
「なにまた顔赤らめてるんだよ?おいおい誰の事考えてんだよ?なあ」
そんな気配全く感じてなかった。っていうか友達としてしか考えてなくて、そこに目を瞑ってたのはオレじゃないか。
「・・・・・・って、泣くなよ」
「っつ、泣いてねえよ」
湊は気づいてたんだな。そりゃあそうか、だって湊はずっと見ていたんだもんな。大好きな剣道に打ち込むその姿も、一緒に飯を食べていた時も、その女の子が見ていた鈍感な馬鹿野郎のことも。全部。
少し時間がたって落ち着いてから良太と馬鹿話をして、夜の10時前には良太は帰っていった。明日は戸叶さんに会いに行こう。そして、良太にも話をしよう。それがきっと今できる、前に進む為の方法なんだろうから。
「ボタンとか、女子から欲しいって言われなかった?」
ボタンが欲しい?言われたような言われてないような。ん、待てよ?
「そういえば卒業式にクラスメイトとか、なんなら知らないやつからも言われたな。ボタン欲しがる意味が分からなかったから断ったけど」
「断ったって。
ちょ・・・・・・お前マジか」
「え?だっていきなりボタンくれとか意味わかんないだろ?何に使うんだよ」
良太は額に手を当てて大きくため息を吐いた後に「な?そういうとこだよ」 と言った。
「いや、この話とオレが鈍感ってこととどう関係があるんだよ?」
「あのな女子が卒業式にボタンくれって言ったら、お前のこと好きだったか憧れてたかってことだろ。そんで別にその子達はお前の「ボタン」が欲しかったんじゃなくて、「お前の」ボタンだったりなんでも良いから思い出を形として残すための物が欲しかったってことだよ」
え?だってクラスメイトは普通に話してて仲が良かった友達だし、知らない子の中には一度も話してない後輩とか他校の生徒とかも居て。その人たちがオレのこと好きだったり、憧れていた?そんな気配感じたことなんか・・・・・・
「リム助はルックス良くて、関わると人当たりも良いからなモテない方がおかしいよ。だけど、お前にとってはきっと普通に接しているだけでも、相手からしたら想いを寄せるのに十分だってこともあるんだろうな。
だから気づかないんだよ、お前のことを好いたり、お前に注目して欲しいと思ってるやつのことをさ」
「・・・・・・そういうこと、か?」
良太のおかげで川島の去り際の言葉の意味をようやく理解した。過去のこともそうだけれど、今日にしてもオレはつくづく・・・・・・そんなことを思っていたら無性に恥ずかしくなってきてオレは顔を赤くして俯いた。
「ふはは、中学のモテ期を逃したことを今更後悔したか?」
「いや、まあそれは良いんだけど。ああ、もう!けど、助かったありがとう良太」
川島の言っていたこと良太の言っていたこと、つまりはそういう事なのだろう。戸叶さんとは面識も何もないが、オレに興味を持ってもらいたいと思っている。それが何故あんな噂話を流すことに繋がるのかは理解できないけれど、何かしらの想いを寄せているのは確かなことなのだろう。
明日にでもまた四組に行って、本人とコンタクトを取ってみた方が良いか?そんなことを考えていたら、そこかで言われたその言葉を鮮明に思い出した。
「リッ君の鈍感!僕負けないからね」 そう言っていた。あの雨の中で、別れ際に湊は確かにそう言っていた。あれは真緒の話をしている最中で・・・・・・
「そうなのか・・・?」
「なにまた顔赤らめてるんだよ?おいおい誰の事考えてんだよ?なあ」
そんな気配全く感じてなかった。っていうか友達としてしか考えてなくて、そこに目を瞑ってたのはオレじゃないか。
「・・・・・・って、泣くなよ」
「っつ、泣いてねえよ」
湊は気づいてたんだな。そりゃあそうか、だって湊はずっと見ていたんだもんな。大好きな剣道に打ち込むその姿も、一緒に飯を食べていた時も、その女の子が見ていた鈍感な馬鹿野郎のことも。全部。
少し時間がたって落ち着いてから良太と馬鹿話をして、夜の10時前には良太は帰っていった。明日は戸叶さんに会いに行こう。そして、良太にも話をしよう。それがきっと今できる、前に進む為の方法なんだろうから。