遊び人に恋をして
「お前、気に入った。」

「勝手に気に入らないで。」


お互い淡々と話す。

そのうち、こいつは私の天敵なのだと気づく。

私は基本、人の表情を読み取って

何を思ってるのかをさぐるのが好き。


なのにこいつは、表情が変わらない。

何を言っても一定な表情。


嫌だ。こんな奴に気に入られたくない。


「俺、倉科直人。

未久の数少ない、男子の名前名簿にでも

書き足しといて。」


この何かを読みとろうとする薄気味悪い笑み。

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