本日より不倫デビュー致します。
体がふわりと浮いた

ああ、これが死ぬ時の感じなのだと感じた。

これで嫌な現実から逃げられる

晴れて自由になれる





そう思ったのに。





「城崎!城崎!城崎!大丈夫か!!」



運命の神様はそんなに甘くないみたい。



目を開けるとそこにいたのは…


雨に濡れた…間宮先生だった…


「おいどうしたんだ!そんなびしょ濡れで…」

「……」

間宮先生が心配そうに
あたしを見つめてくる


涙が溢れてきた


それを見た先生は

「これからうち来い。此処から近いからな」

「……いいんですか?」

「そんなにぬれてちゃ居たたまれないだろ?」

恐らく家に帰れない事を察してくれたのだろう

「お願い…します……」

二人で歩き出した
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