もう一度、恋をしよう。
「…美桜さ、何であの泣き虫の事になるとムキになるわけ?」
「そんなことっ……」
「…あー!ムカつくッ!!」
机をバンッと叩いて、稲葉くんは教室を出て行ってしまった。
「…ねぇ、ちょっと!美桜ちゃんが大和くん怒らせたよ」
「大和くん怒らせるなんて、ありえないっ!!」
クラスの女の子達の囁き声と痛い視線に耐え切れなくなって、私は自分の机に顔を埋める。
……奏多くんのバカッ!!
なんで今、一緒にいてくれないの…?
奏多くんがいない時に限って、こんな想いしなくちゃいけないの……?
なんで……
奏多くんがいないって思うだけで、こんなに寂しい気持ちになるのよ……。