もう一度、恋をしよう。
「…美桜ちゃん?そんな汗だくでどうしたの?」
「……え、奏多くん?」
家の前でぽつんと立っていた奏多くんが私に気づき、驚いた様子で駆け寄って来る。
だけど、驚いたのは奏多くんだけじゃなくて私も同じだ。
てっきり私は、奏多くんが体調を崩して寝込んでるんだと思ってたから、元気そうな奏多くんを見て拍子抜けする。
まさか……本当にサボり?
「あのさ、美桜ちゃん。…これから時間あるかな?」
「……えっ?あ、うん」
私が学校を休んだ理由を聞く前に、奏多くんが話し出す。
「…話があるんだ」
「……話?」
「……うん、大事な話」
ー『大事な話』
奏多くんの言葉が、繰り返し頭の中で再生される。