もう一度、恋をしよう。


「……もう、知らないっ!!」


私はその場から逃げ出そうとするけど、奏多くんに手首を掴まれた。


「…離してよっ!奏多くんのバカ!最低っ!!」


「……美桜ちゃん、落ち着いてっ!」


逃れようと暴れる私の手を離さないように、奏多くんは更に掴んでいる自分の手に力を込める。


「……いたっ!!」


骨が軋むような痛さを感じ、私は思わず声を上げた。


「……あっ、ごめん」


奏多くんはすぐに手を離すと、私から目を逸らす。


「…こんなの、ひどいよ……」


気持ちがついていかなくて、想いがどんどん溢れ出していく。



……だから、

こんな言葉を口走っちゃったんだ。



「……奏多くんなんて、大嫌いっ!!」


私が吐き捨てるように言うと、奏多くんは目を大きく見開いていた。
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