もう一度、恋をしよう。
「あの時はごめんね」って伝えたい。
「大嫌いなんて…嘘だよ」って伝えたい。
でも、本当に伝えたい事は……
「行かないで」
それだけなんだよ、奏多くん。
「………ばいばい?」
今度は稲葉くんが、私の書いた文字を読み上げる。
「うん、何か変かな?」
「いや、変っていうか……いいのかよ、これで。」
「……いいって何が?
稲葉くんが言ったんだよ?好きな事書けって。」
「…そうだけどさ……。」
「………いいの、これで。」
私は言い切って、立ち上がった。
「……おい!……美桜っ!!」
私は稲葉くんを無視して、先生に色紙を渡す。