もう一度、恋をしよう。
「ありがとう、椎名さん。
それじゃあ、席に戻って。」
「………はい。」
「皆さん、お疲れ様!
この色紙は、先生が宮野くんに直接渡しておきますね。」
私から色紙を受け取った先生は、慣れた手つきで色紙の周りにリボンの飾り付けをする。
「………ばいばい、か……」
私は席に戻る途中に、誰にも聞こえないような独り言を漏らした。
「ばいばい」なんて…一番伝えたくない言葉なのに。
でも、「行かないで」って書いたら…
奏多くんはきっと困ると思うから。
色紙に書いた“ばいばい”の文字は、あまりにも小さくて。
それは…私の今の気持ちを表したようだった。