もう一度、恋をしよう。
「……奏多くんには、お母さんから説明しとくから。」
はあ、と大きなため息をついてからお母さんは部屋を出て行く。
…ごめんね、お母さん。
こんな状態じゃ、奏多くんに会えない。
「あっ、美月おばさん。
……美桜ちゃんは?」
しばらくして部屋の開いた窓から聞こえてきたのは、久しぶりに聞く奏多くんの声。
「…ごめんね、奏多くん。
美桜ったら部屋から出て来なくて……。」
「………そっか。」
奏多くんの声がやけに小さく聞こえて、私は窓の隙間からそっと奏多くんを見る。
「………あ、美桜ちゃんっ!?」
「……っ!!」
奏多くんはアパートの二階にある私の部屋を見上げていて、その視線がぶつかった。
私は慌てて、カーテンに身を隠す。