もう一度、恋をしよう。




「いやいや、こちらこそ。
奏多くんには美桜の遊び相手になってもらって…感謝しているんだ。」




「達央(たつお)さん、それはお互い様ですよ。」




お父さんと総一郎おじさんは、最後に笑顔で握手をした。




「美桜ちゃんにも、よろしくお伝えください。
……それでは、また!」




総一郎おじさんはそう言うと、窓を閉めて車を走らせる。



手を振って見送っているお母さんとお母さんは、車が見えなくなると肩を下ろす。




「……行っちゃったわね。」




「……あぁ、寂しくなるな。」




お父さんはお母さんの肩にそっと手を回し、一緒に家の中へと入った。




私は車が止めてあった場所をずっと眺めてた。




奏多くんの最後に見せた表現は、今にも泣きそうで。


奏多くんの顔が…頭の中から離れない。
< 33 / 102 >

この作品をシェア

pagetop