もう一度、恋をしよう。
「いやいや、こちらこそ。
奏多くんには美桜の遊び相手になってもらって…感謝しているんだ。」
「達央(たつお)さん、それはお互い様ですよ。」
お父さんと総一郎おじさんは、最後に笑顔で握手をした。
「美桜ちゃんにも、よろしくお伝えください。
……それでは、また!」
総一郎おじさんはそう言うと、窓を閉めて車を走らせる。
手を振って見送っているお母さんとお母さんは、車が見えなくなると肩を下ろす。
「……行っちゃったわね。」
「……あぁ、寂しくなるな。」
お父さんはお母さんの肩にそっと手を回し、一緒に家の中へと入った。
私は車が止めてあった場所をずっと眺めてた。
奏多くんの最後に見せた表現は、今にも泣きそうで。
奏多くんの顔が…頭の中から離れない。