もう一度、恋をしよう。




「美桜に会いに来たっていう男の子が……
って、おい!美桜、どうしたっ!?」




泣いてる私に気づいたお父さんは、すぐに駆け寄って来る。




「……ううん、大丈夫だから…お父さん、心配しないで。」




「……いや、でもっ……!」




「……達央、これは女のヒミツなのよ♪」




慌てるお父さんをよそに、お母さんはウインクをしてみせる。




「ほら、美桜。
お友達待たせちゃ、駄目でしょ。」




「……うん。」




“女のヒミツ”とお母さんは言ってたけど、多分それは…心配性のお父さんには言わないでおいてくれるって事だと思う。




心の中でお母さんにありがとうと伝えて、私は部屋を出て玄関へと向かった。
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