もう一度、恋をしよう。
でも、私に会いに来たっていう男の子は誰なんだろう…?
今日は日曜日だし、学校はもちろん休み。
それなのに会いに来るなんて、よっぽど大事な用でもあるのかな?
「………え、稲葉くん……?」
ドアを開けると、意外な人物が立っていて私は固まる。
「………よ。」
稲葉くんの遠慮がちに挨拶する理由は、すぐに分かった。
「……あっ、これ!?何でもないよっ!
さっき転んじゃってさー…バカだよね、私ってばっ!!」
思わぬ稲葉くんの登場で、自分が泣いていた事をすっかり忘れてた。
私は手で涙の跡を拭って、適当な嘘をつく。