もう一度、恋をしよう。




でも、私に会いに来たっていう男の子は誰なんだろう…?



今日は日曜日だし、学校はもちろん休み。



それなのに会いに来るなんて、よっぽど大事な用でもあるのかな?





「………え、稲葉くん……?」




ドアを開けると、意外な人物が立っていて私は固まる。




「………よ。」




稲葉くんの遠慮がちに挨拶する理由は、すぐに分かった。




「……あっ、これ!?何でもないよっ!
さっき転んじゃってさー…バカだよね、私ってばっ!!」




思わぬ稲葉くんの登場で、自分が泣いていた事をすっかり忘れてた。



私は手で涙の跡を拭って、適当な嘘をつく。
< 37 / 102 >

この作品をシェア

pagetop