もう一度、恋をしよう。
「…相変わらずモテモテだね、大和。」
「あぁ、美桜とは違ってなっ!」
自慢気に笑う大和に腹が立って、思いっきり背中を叩いた。
「……ってーな!!」
痛がって睨んでくる大和をよそに、私は先に歩き出す。
「おい!美桜、待てよっ!!」
呼び止める大和の声に振り返って、私はべーっと舌を出した。
「美桜!待てゴラーーッ!!」
「ちょっ、来ないでっ!!」
大和がしかめっ面になったと思ったら、勢いよく追いかけて来て、私は必死に逃げる。
学校の階段を急いで上がっていると、途中で大和に手を掴まれた。
「おい、待てって。」
「…な、何よ。」
「急いで上がると転ぶだろ。」
「…あっ、うん。」
私は、素直に大和に従う。