もう一度、恋をしよう。
「…終わったー!!」
終業式が終わって体育館を出ると、生暖かい風が髪を靡(なび)く。
蒸し暑い体育館の中と、長い校長先生の挨拶からやっと解放された。
「後は、成績表貰って終わりだねー。」
「成績表かぁ…見るの嫌だなー…。」
うんうん、と頷き合いながら私と真央は苦笑いをする。
受験生となった今年の夏休みは、思う存分楽しむ事は出来なさそうで、勉強に追われる日々を迎えるんだと思うと気分が下がった。
「美桜はどこの高校行くか決めた?」
「…ううん。
まだ高校見学にも行ってなくって。」
「……私もなんだよね。」
真央と一緒になってため息をつく。
三年生に進級してから、真央とは受験の話題をする事が多くなっていた。