もう一度、恋をしよう。
「……北川高校?」
私のパンフレットを見て、男の子が呟く。
「…あっ、えっと…私、北川高校に行きたいんですけど道に迷っちゃって……。」
この人、この近くの中学校に通ってるのかな?
…だとしたら、北川高校の場所も知ってるかもっ!
「あの…北川高校の場所、教えてもらえませんか?」
「…ん、いいよ。」
男の子はそう言うと、私を置いてどんどん先へ歩き出す。
「…え!?ち、ちょっと!!」
私が慌てて呼び止めると、男の子は振り返って「何やってんだ」と言わんばかりの視線を送ってくる。
「…ほら、行くよ。
早くしないと遅刻する。」
「……へ?」
「…だから、俺も北川高校受験すんの。」
何という偶然っ!
まさかこの人も北川高校を受験するなんて!!