もう一度、恋をしよう。




「あの…ありがとうございました。」




ペンを走らせる音だけが聞こえる中、私は周りに迷惑かけないように小声で言う。




「来るついでだったんだから、別に気にしなくていいよ。
…ていうか、敬語使わなくていいから。」




「…はい、じゃなくて……うん。」




「……面白いね、お前。」




男の子は私の顔を見て笑う。


その顔が…何だか懐かしく思えた。




ーー……キーンコーンカーンコーン



チャイムの音が響き渡ると問題用紙を持った先生が教室に入って来て、私は鞄から筆記用具を取り出す。




「…この鉛筆……」




筆記用具を開くと、奥の方にあるずっと使っていない鉛筆が目に入って私は声を上げる。
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