もう一度、恋をしよう。
可愛いアニメのキャラクターが描かれてるこの鉛筆は、奏多くんとお揃いで買った物だった。
一度は捨てようか迷ったけど、それが出来くてそのまま放置してたんだっけ。
…いつまでもこんな物持ってたって、仕方ないのにね。
「あのさー、用紙早く後ろに回してくんない?」
「ご、ごめんなさいっ!」
後ろの席に座っている女の子に言われて我に返った。
私はすぐに机の上に置いてあった用紙を女の子に渡す。
「…ははっ!お前、緊張し過ぎ。」
隣に座っているあの男の子が、小さく笑い声を漏らした。
教室に居る人達の視線が私に注がれて恥ずかしくなる。
「…肩の力抜いてリラックスすれば、大丈夫だよ。」
からかわれるのかと思ったけど、男の子は優しく微笑む。