もう一度、恋をしよう。




「どう?上手くいった?」




「あ、うーん…まぁまぁかな。」




先生が教室を出て行くと同時に男の子が話しかけてきて、私は苦笑いをしながら答えると、じーっと手元を男の子に見つめられる。




「な、何?」




「この鉛筆……」




男の子は私が持っている鉛筆を指差した。




「…あ、これ?
鉛筆がどうかしたの?」




「…いや、別に。
このキャラクター懐かしいなって思っただけ。」




女の子向けに当時放送されてたアニメのキャラクターを知ってるなんて…。


よく観ていたアニメだったけど、キャラクターの顔や名前はこの鉛筆を見るまで思い出せなかった。


男の子に人気の戦隊モノだったら何となく分かるけど…女の子向けアニメにまるで、興味なさそうなイメージだから余計に意外で。


…あくまで、私の勝手なイメージなんだけど。
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