もう一度、恋をしよう。
「観てたの?このアニメ。」
「いや、俺は全然興味なかったんだけど…幼なじみがこのアニメ好きでさ。」
「ふーん……」
外を眺めてどこか懐かしむように遠くを見つめる男の子。
…そういえば昔、奏多くんと一緒にテレビのチャンネルを奪い合った事がある。
仮面ライダーが見たいって言ってた奏多くんを無視して、私はこのアニメを食い入るように見てた。
その度に、奏多くは泣いちゃって。
……懐かしいな。
「…じゃ、俺そろそろ帰るから。」
「…うん、バイバイ。」
鞄を片手に持って席を立つ男の子が、私を見ながら笑う。