もう一度、恋をしよう。




私が大和に隠し事すると怒るくせに、私には教えてくれないなんて矛盾してるっ!



昔から意地悪で、強引で。

いつも奏多くんをイジメる大和が嫌いだった。


でも…奏多くんが引越した日、大和は会いに来てくれたんだよね。


……泣いてる私を励ましに。




「バカって言ってる、大和の方がバカでしょっ!」




「…ガキか、お前は。」




大和は呆れたように笑う。


…いいもん!ガキでもっ!!

大和が教えてくれないのがいけないんだから!!




「…ここ、膨らましてるのがガキだって言ってんだよ。」




大和は私の両頬を手で押して空気を出すと、ぷすーっと乾いた音が口から出る。




「……ぶっ!変な音。」




「…や、大和がいきなり押すからでしょっ!!」



大和は吹き出すようにお腹を抱えながら笑う。


私は恥ずかしくなって、一気に顔が熱くなる。
< 73 / 102 >

この作品をシェア

pagetop