もう一度、恋をしよう。
「美桜にだけは…言いたくなかったんだよ。」
大和に詰め寄ると、呟くように言った大和の力無い言葉に私は動きを止める。
「……どうして?」
声が少し震えているのが自分でも分かった。
ーー“美桜にだけ”
その言葉がやけに重く聞こえてきて。
私が答えを求めるように見つめても、今度は大和が私から目を逸らしてしまう。
「美桜が…俺の気持ちを知らないから。」
「…大和の気持ち?」
ドクンドクン…、胸の鼓動と一緒にさっきとはまるで違う不安が込み上げてくる。
「大和は……私の事嫌いなの?」
確かめずにはいられなかった。
大和の返事を待つ間のほんの数秒さえ、長く感じて息が詰まりそうになる。