もう一度、恋をしよう。




「……んなわけねーだろ。」




「…じゃあ、どうして?」




「………だから。」




「……え?」




大和の声が小さくて聞き取れなかった私は聞き返す。


教室に入ってきた風が私と大和の髪を靡かせていく。




「……美桜が好きだから言えなかった。」




「………っ!」




今度は目を逸らさずに真っ直ぐ私を見る大和。


突き刺さるような強い眼差しに、私は何も言えなくなる。



あの大和が私の事が好き…?


大和から発せられた言葉が思いがけないもので驚く。




「…じょ、冗談でしょ?」




「冗談なんかじゃない。
…ずっと、美桜が好きだった。」




大和が一歩前に踏み出す度に、私は後ろに下がる。


だって、近くに居たら大和に私の煩く響く心臓の鼓動が聞こえてしまうような気がして。


制服の上から自分の心臓に手を当てる。


どうしちゃったの?私…。
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