もう一度、恋をしよう。
奏多くんがこの街を引越してから、もう8年が歳月が流れている。
あれから連絡も取ってないし、もう二度と奏多くんとは会う事はないのかも知れない。
奏多くんを忘れられないのは…本当の想いを伝えられなかったからで、今でも好きかと聞かれても自分だって分からないのが正直な気持ちだ。
「…俺の前では無理しなくていいっつったの、忘れたのかよ。」
「……忘れてないよ。」
…忘れてない。
忘れてないけど、しょうがないじゃん。
大和が私を好きだって言った意味も、奏多くんを忘れられないって言ってた意味も…私には分かるはずもないんだから。
「……美桜」
大和は、分かってるって言うの…?
……お願い。
そんな顔して、見つめないで。