もう一度、恋をしよう。
「……真央?」
俺は小さく俯いてる真央の背中に問いかける。
…気を悪くしたのかと、不安になって。
俺が名前を呼んでも、真央は振り向こうとはしない。
「どうし……真央?」
真央の様子を伺いに回り込むと、俺の問いかけに答えられない理由がすぐに分かった。
真央が……泣いてたから。
「…ごめん、大和くんのせいじゃないから……。」
真央のか細い声が、グラウンドで部活をしている生徒の声に掻き消される。
「…大和くんが笑ってくれたのが嬉しくて私……。」
俺はどうして…気づけなかったんだろう。
真央がどれほどの勇気を出して、俺に想いを伝えてくれたのかを。
…誰だって、怖いに決まってる。
その証拠に、真央の肩が震えてるんだから。