もう一度、恋をしよう。




初めて告白された訳じゃない。

今までだって何人もの女子から告白をされてきたし。


告白してきた女子に対して毎回、俺は同じ言葉を口にしていた。


「ごめん」…ただその一言だけ。


口ではそう言っていたけど正直、何の感情も湧いていなかった。


告白される度に“またか”と思うだけで、その子の気持ちに本気で向き合おうともせずにいた。




「大和くんの彼女にはなれなかったけど…これからも友達でいてくれる?」




「…当たり前だろ。
そんな分かりきった事、いちいち聞くなよ。」




「……うん、ごめん。」




俺達の間に訪れた沈黙に重苦しい空気は残っていない。


息を吐き、フェンスに寄り掛かる真央につられるように俺も隣に並んだ。
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