幼なじみの溺愛が危険すぎる。
side/玲音


「ねぇ、玲音くん。

私、このまま泊まっても大丈夫だよ?
ゆっくりしようよ?」


「じゃ、俺は帰るから、一人でごゆっくりどうぞ」



黒川サンと目を合わせないまま荷物を持って立ち上がった。


すると、黒川サンに制服の裾をつかまれた。



「あのね、良かったら明日から私が玲音くんのお弁当作っていくよ?

これでも料理にはちょっと自信があるんだ。

吉川さんのお弁当よりずっと美味しいと思うよ?」



上目遣いで俺を見つめてくる黒川サンに笑顔で答える。



「でも、俺、りりちゃんが作ったものしか食いたくないんだけど」


それを聞くと、黒川サンの顔色が変わった。


「りりちゃん、りりちゃんって…

いつまでも吉川さんにベタベタしてないでいい加減、吉川さんから離れたら?」


本性をチラリと見せた黒川サンににっこりと笑いかける。


「黒川サンはさ、俺に興味があるわけじゃなくて
りりちゃんのモノを横取りしたかっただけでしょ?

りりちゃん、男子に人気があるもんね。

りりちゃんは全く気づいてないみたいだけど…」



「べ、別に、そんなんじゃ…」



途端に視線を泳がせた黒川サンに、笑顔を消して視線を冷たく尖らせた。



「俺、あんたみたいな女、一番キライ。

次にりりちゃんにくだらないイタズラしたら、マジで許さないからね?」



「…ちょっ、どういうこと?!」



「そういうこと。
じゃーね、黒川サン♡」



「なにそれ、最低っ!!」



「うん。俺、かなり最低だよ?

知らなかった?

だからもう誘ってこないでね?」



ベタベタと触ってくる黒川サンの手を振りほどいて、ケータイを取り出した。



「みんなそこにいる?
俺、今から合流してもいい?」




カバンを手に取ると、友達のいるコンビニに向かった。






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