幼なじみの溺愛が危険すぎる。
side/りり花


もうすぐ11時半になるっていうのに、玲音はまだ帰ってこない。


しばらく悩んで玲音の家のドアの前で玲音を待つことにした。


ちゃんと玲音と話さなきゃだめだ。


こんなこと続けてたら、いくら成績がよくても本当に留年しちゃうかもしれない。


午前0時を過ぎた頃、やっと玲音は帰ってきた。


ふらふらとこっちに向かって歩いてくる玲音に声をかけようとして、

思わず両手で口をおさえた。


ううっ、お酒臭いっ!!



「りりちゃん、こんなところでなにしてんの〜?」


夜中にも関わらず大きな声を出した玲音に声をひそめて逆に訊ねる。


「玲音こそ、こんな時間までなにしてるの?!

毎日毎日、部活サボってこんな遅くまで!」



「別にー。普通の高校生らしくセイシュンしてるだけだよ?

りりちゃんが言ったんじゃん。

"フツーの高校生らしく楽しんでみたら"って。言われた通りに楽しんでるだけだよ?

りりちゃんだって楽しんでるんでしょ」



「玲音、お酒なんて飲んでなに考えてるの?

玲音、あの子にもお酒飲ませてるの?」



「へーーっ。りりちゃんってこんな時にもあんな子のこと心配しちゃうんだねぇ。

散々あいつに嫌がらせされてたのにさ」




「しーーーっ!!

玲音、真夜中なんだから廊下で大きな声ださないでっ。

ほら、早く部屋に入って!」


ふらふらと足元のおぼつかない玲音を、力ずくで部屋に入れた。

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