幼なじみの溺愛が危険すぎる。

放課後になっても、やっぱり遊びに行く気分にはなれなくて、

帰り際、沙耶ちゃんに謝った。


「ごめんね、もっと楽しめる気分のときに行かせてもらうね。

今日は私がいると盛り下げちゃいそうだから…」


それを聞くと沙耶ちゃんは眉をさげた。


「そっかぁ、残念。

彼の友達の竹井くん、すごくりり花に会いたがってるんだけどなぁ…」


「本当にごめんね」


沙耶ちゃんと話していると、視界の隅に友達と帰っていく玲音の姿が映った。




これまで当たり前のように一緒に過ごしていた玲音とこんなに長い時間離れているのは初めてのことだった。