幼なじみの溺愛が危険すぎる。
「吉川さん、親父が無理言ってごめんな？」



帰りは園長先生の息子さんで同じく補助員としてアルバイトをしている大学生の圭介さんにマンションまで送ってもらった。


茶髪でちょっとチャラい感じのする圭介さんは子どもたちにすごく人気がある。




「家にいてもすることもないし、
子供たちといるとすごく癒されるし、

とにかく楽しかったです！」


圭介さんはポケットに手をつっこんで歩きながら、浮かれている私をちらりと見た。


「りり花ちゃんは、将来保育士になりたいの？」



「はいっ！幼稚園の先生もいいけど、子供たちの日常のお世話ができる保育園の方が楽しそうだなーと思って。

それに、保育園には赤ちゃんクラスもあるし！

あのプニプニしたほっぺに触ると嫌なこともぜーんぶ吹き飛びますよね！」


子供たちの可愛い笑顔を思い出すと頬がゆるむ。


すると、圭介さんがそんな私を見て小さく笑った。


「りり花ちゃんは、保育士に向いてるよ。羨ましい」



視線を落としてそう呟いた圭介さんに思わず訊ねた。



「羨ましいって、どうしてですか？」



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