幼なじみの溺愛が危険すぎる。
「そうやってりりちゃんがいつも俺のことを認めてくれたから、俺、自信がついたんだよ」



そう言って玲音は穏やかな笑顔を浮かべた。


玲音の潤んだ瞳が優しく揺れる。



「りりちゃん、保育園の誕生会でさ、俺が緊張しすぎて漏らしたの覚えてる?」



ブンブンと頭を横に振った。



「みんなにからかわれて、どうしたらいいかわからなくてさ…

そしたら、それに気がついたりりちゃんがすぐに着てたトレーナー脱いで汚れた床を拭いてくれた。

笑ってる奴ら蹴散らしながらね」



そんなことあったかな……



「"玲音は悪くないんだからね。大丈夫だからね。

トイレ行きたかったのに気づいてあげられなくてごめんね。

こんなの気にしなくていいんだからねっ"


りりちゃんがそう言いながら床拭いてくれてた。

俺、あのとき、りりちゃんのためなら何でもできると思った。

小さかったなりにりりちゃんに愛されてるってすげぇ感じたんだよ。

あの頃から俺、りりちゃんのこと好きだった。

女の子として好きだったよ」



玲音にまっすぐに見つめられて、なんて答えたらいいのかわからなくなった。



私だって小さい頃から玲音のことが大好きだった。



弟みたいに小さくて可愛くて…



でも、それは……



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