幼なじみの溺愛が危険すぎる。

「山本くん、どうしたの？」


「あ、いや、その、吉川さんと玲音ってやっぱりそういう関係なんだなと思って…」


「"そういう"ってどういう？」


首をかしげる私に山本くんは早口でまくしたてた。


「いや、あの…俺、一人で買いに行くから大丈夫っ。吉川さんも忙しいだろうし」


「それじゃ、私が買い出し行くよ。
ハズレくじ引いちゃったのは私なんだからっ」


「いや、ホントに大丈夫っ。
ほら、吉川さんはいろいろ準備とかあるだろうしっ」


「準備？玲音が泊りにくるのはいつものことだから大丈夫だよ？」



「"いつものこと"…なんだ。ハ…ハハッ。
じゃ、吉川さん、俺が買っておくから玲音によろしくなっ」


「山本くん？！」


くるりと後ろを向いてすごい勢いで走り去って行った山本くんにしばらく呆然として、家に帰った。