幼なじみの溺愛が危険すぎる。
吉川りり花、17歳。
この春、高校生2年生になった。
バス停につくと、5分もしないうちに玲音が追いついてきた。
「早っ!」
「ほら、俺、やればできる子だから♪」
それなら最初からやってくれ。
隣で大きな欠伸をしているのは
如月玲音(きさらぎ れおん)、16歳。
同じく高校2年生。
双子の弟でもなんでもなくて、
ただのお隣さん。
「はい、りりちゃん、鍵!」
「サンキュー」
玲音から鍵を受け取ってカバンにしまうと
いつもより少し遅れてバスがやってきた。
学生で溢れかえったバスに乗り込むと、
バスに乗っていた女の子たちの視線が一斉に玲音に注がれる。
玲音、目立つからなぁ。
チラリと玲音を見上げると、背の高い玲音は琥珀色の髪をサラサラと揺らしながら
涼しい顔をして外の景色を眺めている。
背の低い私は、混んだバスのなかだと人に埋もれて周りの景色が全く見えなくなってしまう。
くっ……
羨ましい……
ふと視線を動かすと、
隣でお母さんに抱っこされた小さな女の子が、
今にも泣きだしそうな顔をして私のことをじっと見つめていた。
カバンにつけたクマのぬいぐるみのストラップを外して、
小さな瞳に涙をいっぱいに溜めたその子の目の前でぶらんぶらんとそのストラップを揺らしてみる。
すると、キャッキャと声をあげてその女の子が笑った。
その笑顔を見て、胸がきゅうっとなる。
ううっ……可愛いっ!
この春、高校生2年生になった。
バス停につくと、5分もしないうちに玲音が追いついてきた。
「早っ!」
「ほら、俺、やればできる子だから♪」
それなら最初からやってくれ。
隣で大きな欠伸をしているのは
如月玲音(きさらぎ れおん)、16歳。
同じく高校2年生。
双子の弟でもなんでもなくて、
ただのお隣さん。
「はい、りりちゃん、鍵!」
「サンキュー」
玲音から鍵を受け取ってカバンにしまうと
いつもより少し遅れてバスがやってきた。
学生で溢れかえったバスに乗り込むと、
バスに乗っていた女の子たちの視線が一斉に玲音に注がれる。
玲音、目立つからなぁ。
チラリと玲音を見上げると、背の高い玲音は琥珀色の髪をサラサラと揺らしながら
涼しい顔をして外の景色を眺めている。
背の低い私は、混んだバスのなかだと人に埋もれて周りの景色が全く見えなくなってしまう。
くっ……
羨ましい……
ふと視線を動かすと、
隣でお母さんに抱っこされた小さな女の子が、
今にも泣きだしそうな顔をして私のことをじっと見つめていた。
カバンにつけたクマのぬいぐるみのストラップを外して、
小さな瞳に涙をいっぱいに溜めたその子の目の前でぶらんぶらんとそのストラップを揺らしてみる。
すると、キャッキャと声をあげてその女の子が笑った。
その笑顔を見て、胸がきゅうっとなる。
ううっ……可愛いっ!