幼なじみの溺愛が危険すぎる。
「それより、りりちゃん、英語でわからないところがあるって言ってなかった?

見てあげるよ?」


「あっ、そうだった!助かるっ!」


玲音は教科問わずものすごく勉強ができる。


「玲音ってさ、いつ勉強してるの?


いつも寝る寸前までうちにいるし、朝は寝坊してるし、放課後は部活だし。

なんでそんなに勉強できるの?」


英語の教科書を開きながら玲音に訊ねると、なんでもないことのように玲音が答えた。


「授業ちゃんと聞いてるから」


「それだけ?!」


「りりちゃんみたいに授業中寝てないし」


「うっ…。私も授業聞いてるだけでそんなに勉強できたらなぁ…」


そう呟くと、玲音が私の顔を覗き込んだ。


「ちょっとは俺のこと見直した?」


「うん、ちょっとだけ。だから、この問題教えて?」


「りょーかいっ!」


教科書とノートを開いて玲音が私の隣に座ると、玲音の髪がサラサラと音を立てて揺れる。


そんな玲音の髪の毛にそっと手を伸ばす。
琥珀色の玲音の髪は小さい頃のまま変わらない。


「りりちゃん、どうしたの?」


驚いてビクっと体を揺らした玲音に、琥珀色の髪の毛を触りながら答える。


「玲音の髪って小さい頃のままだよね?
普通大きくなると髪の毛って堅くなっちゃうのに、柔らかくてすごく綺麗…」


「つうか、あんまり触られるとヤバイ……」


「え?」


「……なんでもない」


プイっと顔を背けた玲音に首をかしげる。


ん、どうしたんだろ??


「で、どこだっけ?」


「ここ、ここ!」


ノートを開いて、しばし宿題タイム。
< 40 / 427 >

この作品をシェア

pagetop