幼なじみの溺愛が危険すぎる。
放課後、沙耶ちゃんが心配そうに私を見つめた。


「りり花、お昼休みどこいってたの?」


「えっと、ちょっと用事があってね。
お弁当、一緒に食べられなくてごめんね」


沙耶ちゃんに心配かけたくなくて、黒川さんのことは黙っていることにした。


「なんでもないならいいけど…

りり花、暇ならこれからドーナツとかどう?
今日、部活なくなったんだ!」


カバンをもって立ち上がった沙耶ちゃんに両手を合わせて謝った。


「ごめんね、沙耶ちゃん。

すごく行きたいんだけど、今日はちょっと行かなきゃいけないところがあって。また今度誘って?」


それを聞いた沙耶ちゃんが目をきらりと光らせる。

「もしかしたら初恋の君に会いに道場に行くんだったりして?!」


「違う、違うっ!って、初恋じゃないし!
わわっ、バス来ちゃう!
ごめんね、沙耶ちゃん、また明日ね!!」


沙耶ちゃんに手を振って、そのままダッシュでバス停に向かった。
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