幼なじみの溺愛が危険すぎる。
クルクルだった髪の毛はまっすぐになっちゃったけれど、
琥珀色の柔らかい髪も、大きな瞳も、

ついでに四六時中、私の名前を呼んで追いかけてくるところも全く変わってない。


小さい頃は朝ごはんを一緒に食べて、玲音の着替えを手伝って、
玲音の手を引いて保育園に通った。



水を怖がる玲音をあやしながら髪の毛を洗ったり

雨の音に怯える玲音をぎゅっと抱き締めて寝かしつけたり…


すっかり玲音のお母さん気分だった。


「りりちゃん、ネクタイちゃんと結べてる?」


ちらりと玲音のネクタイに視線を移す。


「ううん、全く結べてない…
ちょっと待ってて。あとで直してあげるから」


ニコニコと嬉しそうに笑っている玲音の首元にはネクタイがだらしなくぶら下がっている。



お母さん気分は今も変わらないか…

< 7 / 427 >

この作品をシェア

pagetop