キミの心に届くまで
時には勉強や宿題を見てあげたりもするようで、翼が『マオ先生の教え方は上手なんだよ』と言っていたとお母さんから聞いたことがある。
「マオ先生、おねーちゃんと部屋に戻るね」
「そうだね、長時間居たし疲れたでしょ?部屋に戻ったら、横になってるんだよ」
「はーい。行こ、おねーちゃん」
翼があたしの手をグイグイ引っ張る。
今にも折れそうなくらい細いのに、力が強くてビックリした。
「失礼しました」
マオ先生の顔を見て頭を下げると、先生もニコッと優しく微笑んでくれた。