キミの心に届くまで
翼の病室は廊下の一番奥にある個室。
大人用の部屋よりも少し小さいけど、それでも十分広々としている。
壁や窓、枕元のスタンドには、翼が好きなヒーローもののポスターや写真がたくさん飾られていた。
マオ先生に言われた通り、翼は部屋に戻るなり布団の中に潜り込んだ。
「大丈夫?疲れてない?」
「うん!おねーちゃんが来てくれて嬉しい」
ニコニコと笑顔を絶やさない翼。
こんなに小さい体で、必死に病気と闘っているんだ。