キミの心に届くまで
「っざけんなよ、お前……」
片桐から返って来た言葉は、あたしの予想を大いに反したものだった。
その目は明らかに怒っていて、今まであたしが知っていた片桐とは全然違う。
それまで無表情だったのに、今は感情を剥き出しにして怒っている。
……なんで?
興味ないんじゃないの?
戸惑っていると、片桐にもう片方の腕を掴まれた。
「なんだ、テメーは?人の女を横取りしようとするんじゃねーよ!」
それを見た金髪男が睨みをきかせて大声を張り上げる。
「誰がテメーの女だって?」