キミの心に届くまで
いつの間にか周りから注目されていたあたし達。
周囲の好奇の視線にさらされ、かなり居心地が悪かった。
だけど、片桐に腕を掴まれたままだったから動けなくてどうすることも出来ない。
「お前、何考えてんだよ?」
片桐は周囲の目なんてお構いなしにあたしに怒りをぶつけた。
「俺が居なかったら、どうなってたと思ってんだよ!?」
「…………」
掴まれた腕がプルプル震えているのは、片桐の威圧感に恐怖を覚えたからじゃない。
片桐の手が、怒りでプルプル震えていたから。