キミの心に届くまで
「片桐には……関係ないって言ってるじゃん……!別にどうなっても良かったのに」
「お前……その言葉、絶対忘れんなよ」
『あっそ』って言って解放されることを期待していたあたしは、まだまだ甘かった。
それどころか片桐は、あたしの腕を引っ張って繁華街の中を歩き出したのだ。
「ちょ、は、離して……」
そう言って振りほどこうとしてみても、さらに強く握られて離してくれない。
なに……?
なんなの?
なんで、そんなに怒ってんの?
そっと後ろを振り返ると、さっきのギャルがものすごい形相であたしを睨んでいた。