キミの心に届くまで
この辺の地理が詳しくないあたしは、ただ片桐に引っ張られるがままどこに連れて行かれるのかわからず頭を悩ませる。
ひと気のない路地裏を抜けると、そこにはピンク色のネオンが輝くホテル街が広がっていた。
しかも、あろうことか片桐は適当に見繕うとそのまま中へ入って行こうとした。
ちょ、ちょっと待ってよ……。
なんでこんなこと。
もう片方の手で、あたしの腕を掴んでいる片桐の手を掴んだ。
ゴツゴツしてて、当たり前だけどあたしよりも遥かに大きいその手。
「どうなってもいいんだろ?さっきの言葉、忘れてねーよな?」
「……っ」