キミの心に届くまで


自分の言葉を思い出して、それ以上何も言い返せなくなった。



片桐は慣れたようにパネルを操作して適当に部屋を選ぶと、エレベーターの中へとあたしを引っ張る。



ほ、本気……?


本気であたしと、そういうことをしようとか思ってんの?


ドアが閉まった瞬間、片桐の横顔を盗み見た。



明らかにまだ怒っていて、かなり機嫌が悪そう。



まぁでも、相手が金髪男から片桐に変わっただけだって思えばいいだけのこと。


ズタズタに傷付けてさえくれれば、相手は誰でも同じだもん。


< 123 / 374 >

この作品をシェア

pagetop