キミの心に届くまで


「ごめ……っなさ……あたしが……あたしが、悪かった……からっ」



バカだな、あたし。


こんなになるまで気付かないなんて。


こんなんじゃ余計、心の傷が深くなるだけだったのに。


本当にバカだ。



「お願い……だから、許して……っ」



恥ずかしいやら、情けないやら、怖いやらで涙がこぼれた。



頬を伝って流れる涙は、耳の横を通ってシーツに染み込んで行く。



そんなあたしを未だに鋭く睨み続ける片桐は、そっと腕を解いて起き上がりベッドの上に腰かけた。



「気付くのがおせーんだよ」



「え……?」



「バカじゃねー?俺が本気でお前を襲うとでも思ったのかよ。お前みたいに投げやりな女、願い下げだっつーの」



なっ、なによ。


じゃあ、なんでこんなことすんのよ。


わけ、わかんないよ。


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