キミの心に届くまで
片桐はそれをわからせるために、わざとこんなことを……?
でも、なんで?
そこまで深い関係じゃないのに。
「わかったら、二度とこんなマネするんじゃねーよ。俺以外の男だったら、どうなってたか想像出来ただろ?」
「はい……ごめんなさい」
恥ずかしくて、情けなくて、みっともなくて。
同じように起き上がったあたしは、顔を上げられなくて俯き気味にベッドの端っこに座った。
そして、目に浮かんだ涙をそっと拭う。
「いつもは強気なくせに、今日はやけに素直だな」
嫌味を含んだ言い方をされたけど、実際その通りなんだから仕方ない。
さらに肩身の狭い思いをして身を縮める。
「投げやりになんのはいいけど。自分の体と心を傷付けるなんて、みっともねーことするんじゃねーよ」
片桐の言葉ひとつひとつが重く胸にのしかかる。
言われないと気付かないなんて、本当にバカだあたし。