キミの心に届くまで


胸が軋んでツラくなる。


こんな時に思い出すのは、病院でのお母さんの言葉。



『これ以上失望させないで』


『重荷を背負わせないで』



そんな声が頭の中でこだまする。



ごめんなさい……ごめんなさい。


お父さん、お母さん。


あたし、本当は全然良い子なんかじゃないの。


そういう風に演じていただけ。


だって……そうじゃないと、嫌いになるでしょ?


本当はずっと怖くて仕方なかった。



いつか『お前なんかいらない』、『あたし達の子どもは翼だけだ』って言われるのが。



良い子でいないと、見捨てられる気がして怖かった。


< 131 / 374 >

この作品をシェア

pagetop