キミの心に届くまで
最悪。
最悪……っ!
「はぁ?見たくて見てるわけじゃねーし。それにお前、色気ゼロだからなんの気も起きねーよ」
「……っ」
うっ。
それはそれでどうなんだろう。
変な気を起こされても嫌だけど、色気ゼロだと言われるとグサッと来るものがある。
女として認められていないというか。
「まぁ、胸は思った以上にデカかったけど」
「な……っ」
なんなんだろう、この人は本当に。
「そこだけは女で良かったな」
ボタンを留めたあたしは、振り返って思いっきり恨みを込めた目で睨み付けてやった。
だけど片桐は涼しげな顔をしてて、まったく動じていない様子。
さらには唇の端を嫌味ったらしく持ち上げてニヤッと笑っている。
「最っっ低!」
バカにしちゃってさ!